avatar
今の時代、出版について「本は売れない、本屋が少なくなる、出版社が倒産する。出版しても意味がない」なんてネガティブなことが言われているけど、実際はどうなんでしょうか?
avatar
たしかに、数字のデータだけを見ると、出版業界は厳しいかもしれません。しかし、今の出版業界は「変革の時期」なのです。
avatar
じゃあ、出版の未来はどうなっていくの?

そんな疑問をこの記事では、わかりやすく解説していきます。

こんな人にオススメ

・出版したいけど、よくわかってない人
・出版の未来が気になる人
・出版したいけど、不安な人

出版の未来「Kindleの影響」

今の時代、電子書籍サービスで出版業界が変わりつつあります。特に影響が大きいのがKindleですよね。Kindleと絡めながら、出版の未来をご説明しつつ、どうしたら出版を実生活に活かせるのかを解説していきます。

誰でも出版ができるようになる

数年前までは、「出版する」というのはとてもハードルが高いことでした。出版できるのは、有名人やコネがある人など、ごく一部の特別な人だけ。さらに、出版方法も「商業出版」「自費出版」の2つしか選択肢がなかったのです。

しかし、Kindleが始まって以降、「電子書籍出版」という形で、誰でも出版ができるようになりました。出版社を通じて出版せず、直接Amazonに入稿し、本が出版できます。

つまり、原稿などの本の材料があれば、誰でも出版できるようになったのです。今後、この流れはさらに加速していき、どんどん本を出版したい人が増えていくと予想されます。

「これからの時代は、個人が活躍する」なんて言われていますよね。個人のブランディングのために、出版する人は増えていくでしょう。「え?まだ出版してないの?」なんて言われる出版の未来があるかもしれません。

出版コストが下がる

説明したとおり、Kindleの影響で出版のコストも下がります。著者と読者の間の仲介業者がなくなるからです。今まで

これまでの出版の流れ

著者→出版社→小売店→本屋→読者

という流れで本が売られていました。

しかし、これからは

これからの出版の流れ

著者→出版社(場合によっては)→Amazon→読者

という流れになります。つまり、仲介業者の「小売店」「本屋」がなくなるのです。すると当然、コストも下がるので、本の値段が下がると同時に、本の出版のコストも安くなりますよね。さらに、出版社を介さずに直接Amazonで出版する人も増えていくため、もっと出版のコストは下がっていくでしょう。

いますぐに、こんな出版の未来が主流になるわけではありませんが、どんどん仲介業者がいなくなっていくことは間違いないですね。

紙の本は「本マニア」が買うものになる

今後の出版の未来の1つは、本のデジタル化です。紙の本が少なくなる一方、電子書籍の本が増加していきます。これは数字にも表れていることで、今後さらに、紙の本のデジタル化は加速していくでしょう。

しかし、紙の本がゼロになることはあり得ないと断言できます。必ず、「紙の本が良い」「紙の質感が好き」「紙の本を所有したい」という人がいるからです。また、「この1冊は大切にしたい!」という思い出の本は、紙の本を使いますよね。

一方、読書についてこだわりのない人たちは、電子書籍を利用する機会が増えていくでしょう。つまり、読書のあり方が、一般人=電子書籍、本が好きな人=紙の本という構図になっていくと予想されます。

著者ー出版社ー読者の垣根がなくなる

ここまでをまとめると、Kindleの影響で誰でも著者になれるようになりました。そして今後、仲介業者がいなくなっていくでしょう。つまり、何が起こるのかというと、今までの出版のあり方が変わっていくのです。

著者ー出版社ー読者という垣根がどんどんなくなっていくのです。出版の未来は、誰でも著者になれるし、誰でも出版社になれるし、誰でも読者になるということ変化がきています。同じことがテレビとYoutubeで起っていますよね。昔なら、テレビに出演するハードルは高かったですが、今では誰でもYoutubeで情報発信し、テレビタレントのようなことができるようになりました。

つまり、世の中の全員が本が出版できる読者になったのです。今後、この流れは加速していくでしょう。

出版社と本屋の未来

先ほど説明したとおり電子書籍の台頭により、著者と読者の間の仲介業者はどんどんなくなっていくでしょう。その筆頭が、「出版社」「本屋」です。今度どうなっていくのか、簡単に解説していきます。

出版社の2極分化「大手」と「ニッチ」

まず出版社については、「大手出版社」と「ニッチな出版社」の2極分化が進みます。この流れは、出版だけの未来に止まらず、ほぼ全てのビジネスにも言えることです。メディアへの露出や知名度などが相まって、大手の出版社は業績を維持または、上向きにできるでしょう。

一方、中堅で他との差別化を図れない出版社は、なくなっていきます。そして生き残るのが、ニッチな分野を扱う出版社です。それは、個人出版社を含めた、大手にはできないことをやる出版社です。

たとえば、「食パン専門店」「ボードゲームカフェ」「豚汁専門店」など、ニッチな分野に特化したお店が増えてきましたよね。同じことが、出版社にも言えるでしょう。

純粋な本屋がなくなる

今後、本が売れなくなってくる影響で、純粋な本屋がなくなっていきます。本だけの売上では、今後の業績が厳しいからですね。本屋によって違いますが、本を1冊売ったときの利益は、約20%と言われています。

つまり、1,000円を売ったとすれば、本屋の利益は200円しかありません。これだと、厳しいですよね。最近、本屋とカフェが並列されたお店が増えてきました。他にも、昔からある「本屋とレンタルビデオ」や「本屋と雑貨」などです。

つまり、本屋にも同じことが起こり、ビジネスモデルが「本屋+◯◯」に変化していくのです。

まとめ

今後の出版の未来について、解説してきました。読書の媒体が「紙」→「電子書籍」に変わってきています。出版の方法も「商業出版」や「自費出版」→「電子書籍出版」の流れになっていくのではないでしょうか。

ホントにいつの日か、「1人1冊本を出版する」という時代が来るかもしれません。