みなさん、電子書籍を知っていますか?

「知ってはいけるけど、使ったことはない」という人が多いのではないでしょうか。

今や身近で電子書籍を読んでいる人は、珍しくありません。

そんな電子書籍の変革期が着々と近づいています。

「読む人」はもちろん、「出版する人」もより私たちにとってメリットがある形に変化してきています。

この記事では、「電子書籍の普及と出版の形」をテーマに、電子書籍について掘り下げていきます。

電子書籍について詳しく知りたい!という方は、ぜひ参考にしてみてください。

電子書籍と紙の本の普及率・売上の変化

近年、着実に普及してきた電子書籍。誰もがスマホを使っているため、今後の拡大が予想されます。では、実際の普及率や売上はどのように変化してきたのでしょう。簡単にご説明します。

電子書籍の普及率・売上の変化

わたしたちは普段、あまり意識しませんが、着実に電子書籍市場は増加を続けています。なんと、2011年度に比べて2018年度は約5倍も市場が拡大しているのです!

2018年の株式会社インプレスの電子書籍市場調査によると、2018年度の電子書籍市場規模は、2,826億円であり、2017年度の2,241億円から585億円増加しており、前年比で26.1%増加しています。
2011年度からのグラフ推移(下の画像)を見ると、着実に市場規模が大きくなってきていることがわかりますよね。

引用元:2018年度の市場規模は2826億円、海賊版サイト閉鎖を受けて前年比126.1%の大幅増 ~電子書籍に関する調査結果2019~

紙の本の普及率・売上の変化

一方の紙の本はどうでしょうか。電子書籍が普及したといえ、まだまだ紙の本が主流になっています。紙書籍の売上は、ヤマダ電機や花王、JALなどの有名企業とほぼ同じ(1兆5000億円)です。徐々に、減収傾向にあります。

2018年の全国出版協会・出版科学研究所の調査によると、2018年度の紙市場は、12,921億円であり、2017年度の13,701億円から780億円の減収し、前年比で5.7%減少しています。
2015年度からのグラフ推移(下の画像)を見ると、電子書籍の普及と共に減少していることがわかりますよね。

引用元:公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所

電子書籍の歴史

電子書籍の普及を深く理解するために、電子書籍の歴史をみていきましょう。

電子書籍のはじまり

1971年、イリノイ大学のマイケル・S・ハートが、世界初の電子書籍を作成。著作権切れのデジタル図書館「プロジェクト・ゲーテンベルク」を立ち上げ、米国独立宣言をインターネット上にアップロードした

ソニーが電子書籍専用リーダーを発売

1990年、ソニーが世界初の電子書籍専用リーダー「Data Discman DD-1」を発売。インターネットが普及していなかったため、CD-ROMから読み込んでいた

AmazonがKindleを開始

2007年9月、アメリカの国際電子書籍フォーラム(IDPF)が電子書籍フォーマット(EPUB)を発表。電子書籍作成の基盤が整い、AmazonがKindle端末を販売開始

電子書籍元年、AppleがiPadを販売

2010年、AppleからiPad(タブレット端末)が販売されたことに加え、スマホが急速に普及し始めた。電子書籍の存在がメディアで取り上げられ始めたのこの頃で、電子書籍の普及が始まった年であり、電子書籍元年と言われている

さらなる電子書籍普及、Kindle Unlimited開始

2016年、Amazonが電子書籍読み放題サービスKindle Unlimitedを開始。今後のさらなる電子書籍普及が予想される

引用元:電子書籍の歴史を整理してみた

電子書籍市場拡大の理由

ここまで見てきたとおり、電子書籍は着実に成長し、今後の市場拡大は間違いないと言っても過言ではありません。その理由とは、何なのでしょう。その理由は、インターネット・スマホの普及と現代の生活環境、利用層が影響しているのではと予想されます。

インターネット・スマホの普及

電子書籍は、当然ながらインターネットとスマホの存在が欠かせません。どこでもインターネットが繋がり、いつでもスマホでアクセスできる環境が整ったことが、電子書籍普及の1番の理由でしょう。

現代の生活環境

さらに、現代の生活環境が電子書籍普及の要因の1つだと考えられます。時間に追われ、忙しい現代人は、スキマ時間に本を読むことが多くなりました。通勤中や待ち時間、風呂の中など、本を読む環境の多様性が電子書籍市場の拡大につながっていると言えるでしょう。

電子書籍を読む利用層

電子書籍の利用層も大きく影響しています。電子書籍を利用している層は、主に若年層です。2019年のデータで、もっとも利用率が高いのは、30代男性で27.0%で、次いで30代女性で25.1%、20代男性24.7%と続きます。
若年層は、スマホやタブレット利用率が高く、他の年齢層よりも電子書籍を利用しやすいと言えますね。

引用元:2018年度の市場規模は2826億円、海賊版サイト閉鎖を受けて前年比126.1%の大幅増 ~電子書籍に関する調査結果2019~

普及する電子書籍の立ち位置

今後、電子書籍がさらに普及していくなかで、どのような形で読書がされるのか、どのように出版されるのか、予想していきます。

電子書籍は拡大を続ける

電子書籍の普及を説明してきたとおり、今後も市場は拡大していくと予想されます。それに伴い、人々の読書の仕方が変わっていくでしょう。ゆっくり時間をとって「読書の時間」として紙の本を読んでいた人たちが、スキマ時間に電子書籍を読む人たちへと変わっていきます

加えて、電子書籍オリジナルの本も近年登場しており、電子書籍のみで提供されるサービスも増えるのではないでしょうか。さらに今では、本を音声で聴くサービスも始まっています。今後、より「ながら作業」の1つとして、読書が位置付けされるでしょう。

電子書籍の出版が増えていく

昔までは、商業出版や自費出版など紙の本でしか出版の手段がありませんでした。しかし、電子書籍の出版は原稿や表紙などを用意し、必要な手続きを行えば、誰でもできます。出版することのハードルが下がったことで、電子書籍を読む人が増えると同時に、電子書籍を出版する人も増えていくでしょう。

電子書籍の出版は、在庫のリスクも無いですし、出版後でも中身を修正することができるというメリットもあります。これからの時代は、商業出版や自費出版ではなく、電子書籍出版の時代になるでしょう。

電子書籍を普及させたくない出版社

電子書籍の普及が進む一方、電子書籍出版の普及を嫌がるのが、大手出版社です。なぜなら、印税などの料金システムが崩壊し、儲からなくなるからです。
商業出版の場合、出版後の本が売れたら、著者や出版社、印刷会社、広告代理店などに入ります。どれくらいの割合かは、公表されていませんが、著者さんの印税が良くても10%と言われている一方、出版社の割合はそれよりも高いとされています。
しかし、もし電子書籍(Kindle)で出版した場合、印税などの分配は基本的には、Amazonと著者さんだけになります。

つまり、仲介をしていた出版社の存在が必要なくなるため、儲けられなくなるのです。だから、大手出版社は電子書籍での出版を推奨しないし、電子書籍の普及を嫌がっているのです。なんとも皮肉ですが、世の中に本を提供し、大勢の人に本の良さ・価値を与えている大手出版社こそ、電子書籍が普及されると困る状況にあります。

今後、電子書籍をメインとした出版が増えていく中で、商業出版の良さやメリットを伝える宣伝が増えていくでしょう。しかし、それで著者さんは本当に満足なのでしょうか。

まとめ

電子書籍が普及し始めて約10年ほど経過しました。今、ますます電子書籍が拡大していく中で、読む人も出版する人も「本のあり方」「読書の仕方」「出版の方法」が変化していくでしょう。もちろん、電子書籍が絶対的な存在になることはありません。根強く紙の本が好きな人もいますし、電子書籍が苦手な人もいると思います。
今度、どのように電子書籍と付き合っていくかはあなた次第です。読書について、たくさんの選択肢がある現代では、あなたにあった本との付き合い方を見つけてもらえれば幸いです。